Friday, June 29, 2007

愛する者の前では、人は皆ダンゴ虫

現在のトルコという国がオスマン帝国という国だった頃のお話。

オスマン帝国の中庸期にスレイマン1世という皇帝がおりました。自ら陣頭指揮を執って何度も遠征に赴きました。彼の後宮には1,000人もの妻妾がおりましたが、中でももっとも愛したのはウクライナから奴隷として送られてきたヒュッレムという女性でした。

トルコ語もできなかった彼女にトルコ語を教え、結果彼女はもともとの才能もあったのでしょうが詩作も始めました。

スレイマン1世は遠征先から彼女にラブレターを送りました。詩を送ったのです。うろ覚えですが、こんな感じです。

太陽が昇ると星は消える
月が輝くと星も又輝く

スレイマン1世が自分を星に喩え月をヒュッレムに喩えたのです。愛する者の前では自分も数多くある星の一つに過ぎないということでしょう。

皇帝でさえ愛する者の前では小さな星になってしまう。親愛なる友人諸兄よ、普通の私達ならきっと愛する人の前ではだんご虫くらいの存在と感じるかもしれないですね。そしてたまに小さな存在になるのもいいかも知れないですね。

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